マインド亀

夢のチョコレート工場のマインド亀のレビュー・感想・評価

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)
3.0
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』とセットで是非

●ティモシー・シャラメの『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』鑑賞後に、勉強のために鑑賞しました。本作が『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の姉妹作品だということを監督は公言しているので、オリジナル曲が聞けるのはこちらでございます。
人によって本作のジーン・ワイルダー版チャリチョコと、ジョニー・デップ版のチャリチョコのどちらが好きかは分かれるところだとは思いますが、なんだかムロツヨシに似た変人っぽいジーン・ワイルダーも、マイケル・ジャクソンを意識しすぎたジョニー・デップも、どっちもそんなに好きじゃない自分としては、シャラメ版ウォンカでチャリチョコをリメイクしてほしいなあという印象です。

●本作のチャーリーには父親がいなかったり、ラストの結末に向けての話の流れがタンパクだったり、ジョニー・デップ版チャリチョコと比べてみると、やっぱりジョニデ版はうまくアレンジされているなあという印象。
ミュージカルではありますが、音楽の使い方があまり上手くない印象。エモーショナルじゃないんですよね…。
また、ウォンカのことを「キャンディマン」と称しているのもなかなか不思議。最初の菓子店で子どもたちが競って食べてるの、ほとんどチョコレートじゃなくてアメですよね。
結末の部分で、ウォンカが契約書をたてに約束を反故するシーンがありますが、あれは『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』でオリビア・コールマンのミセス・スクラビットが若干を背負わせるやり口と一緒ですよね!『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』はちゃんと前日譚としてつながりを意識していたんですね。結果的にはその手法を利用しただけではありますが、あれだけ仲間たちとのつながりを大切にしたウォンカが人嫌いの変人に変貌したことを考えると、ウォンカの拗らせぶりが「どうしちまったんだよ!」…と思わずにいられません。
一方で生身の人間が演じるウンパ・ルンパの再現度はかなり高く、こちらの方が好みではあります。

●本作、公開当時はさぞかし人気だったんだろうなあとおもったのですが、なんと当時は日本未公開だそうで、さらにビデオ発売までさらに15年かかったそうです。なので『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の宣伝としてはさもジョニデ版の前日譚のように謳わなくてはいけなかったんだろうとは思いますが、本作の味もなかなか良いものでありますので、観られる方はぜひ『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』とセットで観たほうが良いと思います!
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