けーはち

くるみ割り人形のけーはちのレビュー・感想・評価

くるみ割り人形(2010年製作の映画)
3.0
チャイコフスキーの曲で有名なバレエを原作にしながら、バレエ要素は撤廃。'20年代のウィーンを舞台に、主人公のエル・ファニングちゃんはめくるめく夢の世界に突入する。いかがわしい物理学博士アルバートおじさんが黒板に描いたE=mc²の文字は、くるみ割り人形によってNC(Nutcracker)に書き換えられる。ネズミの国はナチス・ドイツをモチーフにした灰色の軍事帝国。ナチス悪役トンチキSF要素もりもりのそこはかとないB級の香りがしつつ、VFX、CGイメージをふんだんに使った映像は2010年当時としてもなかなかの出来、制作費は9,000万ドル。しかし1,600万ドルくらいしか回収できなかった大コケ作品。ローティーンの頃のエル・ファニングちゃんが主役の、ロリータ鑑賞映画という点にしか価値が見いだせない……と言ってしまっては酷だ。大規模のムダ使いを楽しもう。