シネスコ画面に広がる草原、文字通り犇めきあう牛の群れを統率する馬上の男など、かなり西部劇的で嬉しい(時代は1940年代らしい)。落馬して傾斜を転がり落ちる速度、ラストの放火も中々の迫力でアクション映画としても優秀。何よりゴードン・ウィリスのロングショットが悉く決まっていて、ある人物が息を引き取るシーンもわざわざ外へ出しているあたり完全に見せ方を心得ている。

柵倒して暴走した50頭からの牛たちを2人で追うとこ、曇天から雷鳴が響くあそこのシーン。死ぬまでにいつか大スクリーンでみてみたい。ゴードンウィリスが撮る大平原もスゴイ。本読みながら食事するジェーンフォンダみて分厚いシェークスピア持ち出してくるジェームズカーンが最高。もうこの男しかいないってジェーン。暴力を厭わない残虐なエゴイストのジェイソンロバーズはもちろん素晴らしい。家が燃え尽きるシーンになぜか「レザレクション／復活」をふと思い出したんだけど、どちらもリチャードファーンワースが出てるんだった。ファーンズワースが家を去るシーン。あそこはほんと良い。泣いてしまう。

パクラ最高。カッコイイ男は引き際がキマってる説は本作の脇役リチャード・ファーンズワースでまたしても実証されてしまった。『グレイ・フォックス』とセットでみるとエモさ倍増ですね。飯食べなら本を読むジェーン・フォンダの日課に対抗して超分厚い本を読み出すジェームズ・カーン。こんな子供っぽいやり取りをして二人だからこそベッドシーンがより情熱的にうつってしまう。実際は行為のあとしかうつってませんが。落馬シーンは迫力があるのだが、スタントマンが亡くなられたみたいです……。Twilight Timeから出てるブルーレイでみたらもっと好きになってるかも。