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シェラ・デ・コブレの幽霊の元ラジオ頭のレビュー・感想・評価

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)
3.5
作品そのものがまぼろしの存在として語り継がれていたことや、高橋洋のトラウマになったことでも有名な一作
ホラーというジャンルは時代の洗礼を受けやすいジャンルで、名作といわれる映画も今観るとあまり怖くないということはよくあることです。しかしこれは今観ても結構きつい。怖いというより「不気味」ですね

何といっても幽霊が不気味!ビジュアルの強烈さに加えて、オープニングから響き渡る幽霊の泣き声もまた夜中に思い出したらゾクッとしそう
もちろん制作時は意識していなかったと思いますが、白黒映画であることも「見てはいけないものを見てしまった」気味の悪さをより強いものにしてくれている
当時と今での映像表現の違いというと、メインで登場する幽霊を含め、怪異の表現がアナログ式というか、言ってしまえばチャチな特撮が多いんですが、それもまた風邪ひいたときに見る夢みたいでまた不気味

あまり語られない気もしますが、ストーリーも結構僕好みだった
怪異の存在を肯定しながらもその上で事件の真相に迫っていくというミステリー要素も含むストーリーはその後の高橋洋作品をはじめとするJホラーにもつながっていきそう
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