ベルイマンの初期作品。オーケストラの男女が織りなす愛憎劇。
ベルイマンらしくない作品、と言えばそうなのだが、ビターな後味は確かにベルイマンぽくもあるという不思議な作品。
『ある結婚の風景』ほど洗練されてはいないものの、オーケストラの夫婦という設定に独自性がある。補充要員としてオーケストラに入団した女性、彼女は唯一の女性団員。指揮者の「だから女を入れなければよかったんだ」というセリフはちょっとどうかなとは思ったが…
クラシックに乗せて語られていく結婚暗黒物語として見応えあり。そこまで洗練されてはいないがしっかり面白い。映画祭の間にみたのでそこまで印象に残ってはいないけど、ベルイマンの原点を顧みるという意味で観る価値はある。