爆裂BOX

デビル・リベンジャー 復讐の殺人者の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
疎遠になっている元保安官の父ハワードが殺人の嫌疑をかけられていると知ったメラニーは、すぐさま故郷の町へと戻る。彼女はそこで過去に葬られた悲惨な事件を知ることになり…というストーリー。
「巨大怪物マンシング」のような復讐に燃えるツタ怪人が登場するモンスターホラーです。
主人公メラニーは幼馴染と名乗るジミーから疎遠になった父ハワード危篤の電話を受け、田舎町に戻るも、実際は殺人の嫌疑をかけられ追われている事を知り、父の無実を信じるメラニーはジミーと共に無実を証明しようとします。一方で殺された女の子の父親を始めとしたハンターが復讐に燃えながらハワードの行方を探すも、その前に謎のツタ怪人が現れるというストーリーです。
ほぼ全編森の中か一軒家で進み、犠牲者数も意外と少ないです(そもそも登場人物が結構少人数なので)前半は謎解きっぽい要素も絡めながら地味に進んでいきますが、日本版のダークヒーローっぽいジャケでツタ怪人の正体完全にネタバレしちゃってまず。まあ、そうでなくても手についた泥だったり、保安官の「そんな町民見た事ない」という発言&伏線が分りやすすぎて最初からバレバレですが。
本作のツタ怪人はリンチされた沼に捨てられて死んだ男の怨念が植物と融合して誕生した物ですが、無実の罪を着せられてじゃなくて少女レイプ殺人してる極悪人なので完全に逆恨みですね。ハワードが言ってるだけかと思ったけど、終盤で「全て終わったら今度は殺人のスリルを楽しみたい」と言ってる事からサイコパスの殺人鬼なんでしょうね。人型になった巨大な(といっても2メートルチョイくらいだけど)ツタの集合体といった感じの見た目で、マンシングと似てますね。CGはTVMとしては良いクオリティだと思います。イケメン好青年風の人間状態から変身していく所もイイ具合の映像でした。本性現してからはイケメンだけど憎々しい感じで良い悪役ぶりだったと思います。殺し方が踏みつけたり、沼に引きずり込んだりといった地味なものでゴア描写がないのは物足りないかな。終盤明らかになる町の境界線を越えられないという弱点も面白い。ちゃんと序盤で伏線張ってあったんですね。
ブルース・ダーンが主人公の父親ハワードを演じてますが、顔見せ程度ですぐ退場すると思ったら、終盤がっつり活躍してたのはちょっと驚き。彼が登場して彼を犯人だと思って復讐に燃えていた被害者の父親や、疑っていた女性保安官助手と共闘して立ち向かう終盤の展開は個人的には盛り上がって楽しめました。クライマックスの対決も結構わくわくできました。決着はアッサリしてたけど。アレで倒せるんだ。
ラストも不気味な余韻を感じれたかな、シェリーは結局何者だったのかな?本当に母親だったの?流れ者とか言われてたけど。
前半は地味な感じだったけど後半は結構楽しめました。TVMのモンスター物としては割としっかり作られてる方じゃないでしょうか。