数々のゾンビ映画で人類への警鐘を鳴らしてきたロメロじいさんのサイコスリラー。あくまでも心理的恐怖を描いた作品のため、ゴア描写はほぼ無し。それでもトム・サヴィーニはきっちり参加しているところがファンには嬉しいところ。
事故により半身不随となった主人公の元に、介護猿「エラ」がやってくる。彼女はただの猿ではなく実験により高い知能を手に入れており、主人公の身の回りの世話を完璧にこなすのだが…。
血みどろ無しだが怖い怖い。かわいい猿がミザリーみたいになるんだから。御大らしく、心に刺さる結末はカタルシスを生み、この映画がただの動物パニック映画ではなく人間の内面に潜む悪意を描いたドラマでもあることを気付かされる。
ちなみにFOXの大ヒットコメディ「マルコム in the Middle」にて、本作のオマージュのような回がある。主人公兄弟のいたずらのせいで両手足を骨折した登場人物が介護猿を飼ったのだが、あの手この手で命を狙われるというおはなし。こちらはかなり笑えるので映画を観た後で是非ご覧いただきたい。
