爆裂BOX

カンニバルシスターズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

カンニバルシスターズ(2001年製作の映画)
3.9
ハリウッドでアニメ映画を製作するトムは、雪山でスノーモービル中横転事故を起こしてしまう。近くの山小屋に住む老姉妹に助けを求めるトムだったが…というストーリー。
「呪われたジェシカ」のジョン・ハンコック監督が手掛けるサイコサスペンス。アルバトロス・コア配給でこのタイトルとジャケットなのでC級ゴアホラー想像しますが、中身はかなり違ったものになってますね。
雪山で友人とはぐれ、スノーモービルの横転事故を起こしたトムが近くの山小屋に住む老姉妹に助けを求めるも、キ×ガイだった姉妹に監禁される序盤は予告などから想像する「ミザリー」のような監禁ホラーが展開しますが、すぐにトムの友人が助けに来てスノーモービルでの雪上チェイスを繰り広げたりしながら雪崩に遭いながらも生還し、そこからは姉妹を題材にしたアニメを作ろうと考えたトムが姉妹の血統を調べていくサスペンス物になっていきます。なのでタイトルや惹句で強調されてる人肉食系のシーンなどありませんし(皿に盛りつけられた頭蓋骨や瓶詰の体の一部、妹の言葉で言及されるくらい)ゴア描写もないですね。そこに期待する人はガッカリすると思います。
中盤からは妹ヴァネッサが養子に出した娘クララに目的隠して近付いていき、スローテンポなサスペンスになりますが、クララの息子が血の隔世遺伝を示すようなサイコパス気質のクソガキで、トムとクララ、その息子の不安定な関係がどういう結末を迎えるのか予測がつき辛く中だるみする部分はあるも最後まで見続ける事は出来ます。でも、全体通してみると中盤部分は何が描きたいのか解り辛い所もあるかな。トムも善人面してるけど、アニメ映画作る為にヴァネッサの役回りクララに演じさせたり結構非道な事しますね。真実明らかになってクララ傷つけちゃったし。ああなる事予測付きそうなものだけど。
後半から終盤にかけては出てくるだろうなと思ってた人が出て来て、着地が見え辛い緊迫のサスペンスが繰り広げられて結構目が離せず見入っちゃいました。対決の末の姉妹の血筋との決着も切なかったですね。クララが一番可哀想だったな。まともだっただけに。
老姉妹のキャラも良かったので、もっとこちらをメインにした展開見て見たかった気はしますね。出所した兄貴は全然物語に絡んでこないなと思ったら最後に登場してほんのり嫌な後味残してくれましたね。
人喰いキチ×イ姉妹による監禁拷問ゴアホラー期待するとがっかりすることは間違いないですが、サイコサスペンスとしては予測付き辛い展開などそれなりに楽しめる作品でした。