ジョン・フリン最後の作品、おそらくVシネ。『軍曹』から始まった表現者としての長い旅の終わりもやはりスティーヴン・ボールドウィンとピーター・ギャラガー、男同士の「映画」になっていて、その関係は友情というより愛情のようにも見えたりしてジョン・フリンお前貫いたな、と嬉しくなってしまった。映像は激安王レベルなのでチープだけど、所々で描かれる乾いた暴力は健在。飛び跳ねるほどの面白さを期待しなければ、男と銃と復讐。これでジョン・フリンは十分。大好きな作家、お疲れさまでした。

保護下の状況でも懲りずに裏稼業に足を突っ込むスティーヴン・ボールドウィンと、それに騙され振り回される不動産屋ピーター・ギャラガーという珍しいバディものだけれど、この二人の間の妙な連帯感が画面に定着しているのが凄い。枯葉が散乱としている廃れた公園での締まりのない銃撃戦でも、ピーター・ギャラガーが相棒を助ける一瞬の行動にグッとくるものがある。

なんか思い切り微妙なんだけど、ボールドウィンの野性感、抑えまくった凶暴さ、小世界での大物ぶり…うまくいえないがなんだかへんな魅力がある。女こどもの扱いをみると背筋が凍りつくほど恐ろしいというか、ジェントルなのに最低というか。とはいえジョンフリンの作品のなかでは地味な作品。隣人兼パートナー役はピーターギャラガー。あなたが寝てる間に（言いたいだけ）