このレビューはネタバレを含みます
振り返れば多少ややこしかったけど、重厚な映像や雰囲気がとても魅力的なおかげで無意識にストーリーへと没頭していけたのが非常に理解の助けになりました。「スパイ」「裏切り者探し」といったハードボイルドで冷たい流れの中に散りばめられた伏線が収束して、2つの切実な愛が終わるという結末を迎えたとき、胸を突かれるような気持ちに。ラストでトップの座につくスマイリーが映し出されたのが個人的にはいい清涼剤で、じわじわ残る余韻を「ああ、いいものを観たな」という感じにさせてくれました。