童貞

裏切りのサーカスの童貞のレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.6
何をやらせてもどこか物足りない感のあるトム・ハーディが、その物足りなさも含めて活かされ切った傑作。
ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチといったアクも存在感も抜群の大物たちに囲まれて、実力でもキャラの強さでも彼らに一歩及ばない哀感と、そんな彼らの背中を追い越してやるんだという若い意気込み、そして現時点でのどうにもならない実力差にぶつかっていく・・・
このまるで人生そのものといえる流れが、ハーディの役柄と完全にシンクロしていて胸に迫る。
越えがたい偉人たちを前に、ひたすらに己と向き合い葛藤しながら藻掻き抜き、ついにはその偉人たちを脇役にしてしまう姿に勇気づけられない人はいまい。
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