爆裂BOX

タワー・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

タワー・オブ・ザ・デッド(2010年製作の映画)
3.2
連邦ビルで爆破テロ発生。これによってラボで開発中のウィルスが流出し感染した者は凶暴化してしまう。僅かな生存者はビルからの脱出を考えるが…というストーリー。
爆破テロによって連邦ビルで生物兵器として極秘に開発中だったウイルスがばらまかれ、感染した人々が凶暴な感染者と化す中、生存者達が封鎖されたビルからの脱出を目指すストーリーです。
本作のゾンビですが、まずゾンビではないですね。頭を撃たないと死なないという点は同じですが、凶暴化しただけで「28日後...」の様な感染者ですね。死んでる人はそのまま死にっぱなしで蘇ったりしません。メイクは前半は血走った目や血管が浮き出た顔で、後半からはウィルスが時間経過とともに不活性化して粉末状になる為か、白い粉末で顔が白塗りになった状態になります。予算の都合か序盤以外は感染者は大抵一人で襲ってくるのは残念でしたね。もうちょっと大勢で来てほしかった。内臓引きずりだし以外はスプラッターシーンはほぼなく、お食事シーンもありません。
序盤の爆発とウィルスによる感染者でパニックになる様は中々盛り上がります。
その後の脱出劇もちょっとダレる所もありますが、それなりのテンポで進むので余り退屈はしませんでした。また、ビルからの脱出劇だけでなくビルの中に救助に入ろうとする消防隊員や警察署長と機密を隠したい為にそれに反対するFBI捜査官との対立を盛り込む等展開も工夫していました。この感染者との戦いや脱出だけでなく外部の様子も描く所等は「バイオ・インフェルノ」と似ていました。
後半、主人公とヒロインは主人公の娘探す為に他の生存者と別行動とりますが、主人公達後半は別れた生存者達の事全然気にしてなかったな。
後半はビル爆破のタイムリミットサスペンスも盛り込んでいました(こちらはちょっと肩透かしに終わりますが)
しかし、舞台設定や主人公と元妻の関係等「ダイ・ハード」をかなり意識してますね。
C・トーマス・ハウエルが警察署長役で好演していました。また、事件を隠蔽しようとするFBI捜査官役でジャド・ネルソン、生存者の救助熱望する消防士(実は主人公とも意外な関りが…)役でロックリン・マンローも出演してます。
ラスト、自爆テロを行った犯人の犯行声明がテレビで流されたことで結果的に政府が密かに進めていた極秘計画を暴き白日の下にさらすという犯人の目的は達成されましたが、過激な方法で政府の闇を暴くという犯人の動機や方法は今見ると結構タイムリー。こっちは一般市民に被害出しまくってて正義の欠片もないけど。
ツッコミ所もありますが、安定した作りでパニック映画好きの人なら楽しめるのではないでしょうか。