夢の扉までの道のりと開けたらスーラとか大霊界っぽくもあり、夢を操る猫の博士やモニターなどスッと入ってくる大好きな話だけどなんかもう一押し欲しくなってしまうのは夢野育ちだからか。贅沢言ってごめん。老婆心ながらそのバンドマンやめといた方がいいよと思いつつもクリスティマクニコルさんの80sファッションは素晴らしい。綿のタンクトップとパンツも最高。ホワイトドッグもそこに釘付けだった。

自分らで作った悪夢の理論を自由に解釈しはじめる脚本、夢の中のレイプシーンに重なるアダルトなテナーサックス（現実でも気まずそうにする夢の研究者）、何が解決したのかまったく分からない力でねじ伏せるラスト、まだまだこちらの修業が足りない。ロンドンのホテルの廊下にはチャールズと心持ち引きつった笑顔のダイアナのポスター。

父との確執の話かと思いきや、正当防衛で殺人を犯してしまった少女が、トラウマ・ストレスによって妄想・三重パラレル世界を彷徨うお話だった。催眠療法、ビデオカメラとモニターなど佐藤寿保っぽさもあるが、もう少しふわふわした、どちらかというと思い切り微妙な映画なんだけど、この思わせぶりな空気は全然嫌いじゃない。高所シーンも良い。僅かな希望を感じるラストはやっぱり膝カックンなんだけど、やっぱり嫌いじゃない！