【スコセッシに影響与えたらしい】
スコセッシが影響受けたフィルムノワール。宝くじ賭博をコントロールする悪徳弁護士の破滅を描いた作品だ。
どちらかというと、クローネンバーグが『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を撮る際に参考したのでは感じた。
さて、フィルムノワールはど素人かつあまり得意ではないので、本作もそこまで乗れなかったのですが、90分位で複雑に入り乱れる人間関係を、時間的ゆとりも魅せつつ描くポロンスキーの力には脱帽です。
悪徳弁護士で自分の都合のいいように、ヤクザな副業を合法にしていく。それに対比するように賭博を仕切る冴えない兄が描かれる。
悪の中の善、哀愁を強調することで悪徳弁護士の悪の力を強大にする効果が見受けられます。
ノワールというと、悪女、見るからにヤバそうな悪女が出てくるイメージが強いのですが、こちらはファム・ファタールの割にはフツーの女性だったので、ノワールの世界の奥行きに興味を持ちました。