爆裂BOX

宇宙からのツタンカーメンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

宇宙からのツタンカーメン(1982年製作の映画)
3.5
ある日、ツタンカーメンの墓から棺が発見され、アメリカ大学に移送される。研究チームが放射線を使った調査を始めると、その影響でミイラが蘇ってしまう…というストーリー。
日曜洋画劇場で放送されてカルト的な評判を呼んだZ級ホラーがキングレコードからBD発売されたので鑑賞しました。
「高貴な旅人」と称される復活したミイラは、学生が無断で棺から持ち出した5つの水晶を探して次々と殺人を犯していく、という内容です。
ベースになっているのは復活したミイラが人々を襲っていくというミイラ映画ですが、そこに殺人カビや宇宙人などの要素を詰め込んで怪作に仕上がっています。
機器を扱う学生がミスって高濃度の放射線を浴びたことにより復活したミイラは棺から抜け出して、奪われた水晶を取り戻すために行動しますが、スーッと横移動していく姿がシュールで面白かったです。ミイラの姿が直接映るシーンは少なくて、緑色のミイラ視点の映像や手がちょっと映ったりするシーン多めです。ミイラが復活したシーン入れてるし、ここまでミイラが人襲ってるの見てる人は分かってるんだから、ここまでミイラの出番減らした意図は分からないな。ミイラの目的はあくまで「水晶を取り戻すこと」なので、誰彼構わず人を襲って殺していくわけではないので殺宇人シーンも少なく、また、ミイラに触られたことでその体についてる殺人カビに感染して死ぬので、殺人シーンも淡白でゴア描写などはありません。エレンが死んだのも殺人カビを活発化させるX線浴びたせいだからミイラが殺したとも言えないし。直接殺したのは清掃員と怪力で壁に投げ飛ばしたビルくらいか。清掃員は死んだシーンすらないけど。カビに蝕まれた手やエレンの死体はちょっとしか映らないけど中々気色悪くて良かったです。
古代エジプト時代に宇宙人が地球に来て人類と接触していたという設定は「ムー」的でオカルト心擽られる設定で好きですね。ツタンカーメンの死因もカビのせいという大ボラこいた設定も好き。
出演者の中では「バタリアン」のジェームズ・カレンが次々大学内で起こる事件を隠蔽したい学長を演じていて、主人公の考古学教授の友人の医師役でオースティン・ストーカー、事件を捜査する警部補役でダーウィン・ジョンストンと「要塞警察」の主演コンビが出演しています。
「マミー」と「母親」かけたツマラナイジョークがやけに放り込まれるのは気になりましたね。校内を捜索する警備員がロッカー開けたらネズミが一杯いて、キャーキャー悲鳴上げながら逃げていく所はちょっと笑った。
X線撮影で水晶の存在に気付いて盗み出して、彼女や借金の肩代わりに周りに渡してこの事態招いた元凶のクズ学生が殺されたりお仕置きされないまま終わったのはモヤる。一応、「二人が死んだのは水晶のせいだ」と言われて「傷つけるつもりはなかった…」と後悔してる様子はいれてたけど。
語り草になってるラストは邦題でネタバレしてますが、そのインパクトはやはり抜群でしたね(笑)「未知との遭遇」や「E.T」頂いたんだろうけど、唐突過ぎて(笑)あそこで庇われただけで友達認定したのか。「TO BE CONTINUED(つづく)」にも笑ってしまいました。続編は作られなかったようだけど、マカデン教授はどうなったのか…
噂通りの怪作でしたが、終始淡々と進んで決して面白い映画とは言えないけど、「なんか変な物見たなぁ…」というそのインパクトは素晴らしいものがあると思います(笑)