唯

爆走!ヘルズ・エンジェルスの唯のレビュー・感想・評価

3.3
バイクで走るか喧嘩するか馬鹿騒ぎするかセックスするかのシーンがひたすらに続く、バイク仲間達の享楽的なその日暮らし。
それは若い時にのみ許された特権で、終わりが近いことを自覚しつつも、全力でそれに目を瞑ろうとする。

フリーセックスが掟のエンジェルスの面々は、責任を負うことを嫌う。
そこには一人の相手と向き合うことの恐怖が滲む。

バディがクズ極まりないなあ。
ポエットがそれに対抗する形だが、実際にストーリーが動き出すのは後半5分のみ。

それまでの彼らには変化や成長が全くないのだけれど、若さというモラトリアム、虚構のユートピアに一秒でも長く身を置きたいのだろうなあと。
過去や未来から全力で目を背け、とにかく目の前の今だけに一心不乱になる。
現実から目を背けるための喧嘩であり爆走でありセックスなのだ。

偏見かもしれないが、教育を受けていないとこうなるのかなあと思ってしまう。
腕力で全てを解決できると思い込んでいるのよね。
それはつまり、女の意見など挟む余地はないことを意味している。
唯