Hobbs

冒険活劇/上海エクスプレスのHobbsのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます





新感染ファイナルエクスプレスがなんだってんだ!こっちは上海エクスプレスだぞ!(笑)

つい先日、大粒の涙が噴水のように噴射して止まらない心のデトックスムービー「おじいちゃんはデブゴン」で汚れに汚れきった真っ黒なハートを涙で洗い流し、やはりサモハンがいなけりゃアクション映画は成り立たない!と改めてサモハンの凄さと偉大さを痛感したのでおじいちゃんはデブゴンをレビュらず未公開なのに#お前らの好きな上海エクスプレス語れなんてタグまで存在する密かに人気の高いこっちをチョイスしてみますた。

あれあれ?待て待て違うぞ違うぞ?想像してたのとだいぶかけ離れているぞ?(・・;)
なんて言うか、上海エクスプレスに乗り込んだサモハン御一行が各車両でスタンバる強敵を殴り倒しながら先頭車両で待ち構えるラスボスとバトルロイヤルするサモハン版スノーピアサー的なもんを期待してたらとんでもねぇ!
サモハン、上海エクスプレスに乗らねぇ。線路爆破するだけ(笑)

地元愛が強いコソ泥のサモハンが廃れた故郷の田舎町に帰ってカンフーで町興しに奮闘するアクション地域活性化ムービー…とでも言おうか。基本的にサモハン達は自分の地元内だけでワチャワチャやってるので厳密には冒険活劇はしていない。
ただ、サモハンのヘアスタイルだけはかなり冒険活劇していた。
燃えよデブゴン、福星、プロジェクトA、サイクロンZその他諸々、どこを見渡しても基本坊ちゃん刈りという絶望的ヘアスタイルを命がけで死守してきたサモハン。その姿勢がカッコイイとさえ思えていたがこの上海エクスプレスでは横両サイドを刈り上げて襟足を伸ばした最先端のヤンキーヘアにイメチェンしていた。

そうだ、サモハンだって男だ。坊ちゃん刈りからたまには横をバリカンで刈り込んで冒険したい時だってあるさ。
思い起こせばあれはまだ俺がDTだった頃、その当時美容院に入店する勇気がなく結局小学生の時から通ってる近所の薄汚れた床屋に行くしか俺には選択肢が無かった。
この店では電話して予約する必要など無い。店に入りジャンプでも読んで待ってりゃあっちから勝手に呼んでくる。そしてイスに座ったら最後、客の要望を一切受け付けない頑固なベテラン理髪師によるシザーハンズばりのテクニカルなハサミ捌きによってカットが終了する頃には髪と尊厳を失い無抵抗のまま坊ちゃん刈りにされた無惨な自分が鏡に映っている……。次の日、学校内での俺のあだ名が「サモハンキンポー」に決定したのは言うまでもない。
俺ももっと早く上海エクスプレスに乗ってサモハンと一緒に冒険していれば人並みの青春を送れただろうに……。

映画の話に戻るがちゃっかり出演しているユンピョウが、ちゃっかり鬼スゴす!!
ワイヤー無しCG無しスローモーションは有りの悪条件しか揃っていない状態で燃え盛る三階建マンションの屋上から普通に飛び降りスマートに着地するありえないユンピョウ。
着地後「君、大丈夫か?」とか言ってたがお前の方が大丈夫か!?(笑)
ユンピョウ以外にもありとあらゆる決死のアクションシーンが登場するが、全部ギャグ。
スタントマンが命懸けで挑んだスタントを全てギャグに使ってしまうサモハンのギャグセンスにはさすがに人格を疑った。(笑)

ジャッキーは何でか参加せずサモハンを筆頭に香港のオールスターキャストを片っ端からかき集めたのがこの映画の売りみたいだが、オールスターキャスト…なのかコレ?
確かにサモハンやユンピョウは文句ナシにスター枠に入る。が、エリックツァン、ラムチェンイン、ユンワーとかは果たしてスター枠に入るのか?この面子、サモハンの店に行けば基本毎日会える常連客ばっかりなんだが(笑)
今のチビッコやそこらへんのギャル達にシンシアラスロックやジミーウォングやディックウェイや倉田保昭が伝わるのか?
関係ないが劇中の倉田保昭師匠、思いのほか弱い(笑)
この当時の香港映画を極めないと到底付いていけない不親切なサモハン産ムービーではあるが、だが安心してほしい。結論から言うとぶっちゃけサモハンさえ認識できていればほぼ問題はない。(笑)
さて、安心したところでここまでわざわざ読んでくれた皆さんに感謝の気持ちを込めて私自ら直々に無料で坊ちゃん刈りにして差し上げよう。まずは1番乗りでいいねしてくれたキミからだ!!(笑)
Hobbs

Hobbs