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キング・アーサーのsyuheiのレビュー・感想・評価

キング・アーサー(2004年製作の映画)
3.5
キングスマン観たのでついでにアーサー王伝説モノを。2004年のアントワーン・フークア監督作品。

アーサー(アルトリウス)が古代ローマ帝国末期にサルマート人傭兵団を率いていたとする説を大胆に採用、中世ではなく5世紀のハドリアヌス城壁を舞台に繰り広げる、一種の架空歴史モノ。アーサーの歴史的実在性は今なお議論されているのでこういう作品も面白い。

円卓の騎士はふつう12人だが本作では7人に絞られている。15年にわたる兵役を終えんとする7人の男たちが絶望的な最後のミッションに挑むというプロットは『七人の侍』が重なるところ。クライヴ・オーウェン演じるアーサーはカリスマ性があり、ヨアン・グリフィズのランスロットもカッコいい。

グィネヴィアが仲間に加わったアーサーたちがサクソンの追っ手と氷原で対峙するバトルシーンは迫力があるだけでなく美しい。本作、シーンやセット、小道具の多くがDark Soulsを連想させる。ダクソファンなら一見の価値あり。

本作では魔術師マーリンはウォード=ピクト人のリーダーであり、グィネヴィアもその出身ということになっている。ラスト、バドンの丘の戦いはアーサー&ウォード連合 vs. サクソンとなるのだが、このサクソンがウェセックス王(セルディック)というのも面白く、実際そういう説もあるとかないとか。

アーサー王伝説の新解釈モノという着想が面白く、キャラクターもセットも群衆バトルも立派で、お好きな人には楽しめる映画。特にダクソの雰囲気が好きな人はぜひ観てほしい一作。ただ、説明不足な箇所があることも確かで、グィネヴィアとランスロットの不倫関係とかは示唆にとどまっている。

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