水蛇

若者のすべての水蛇のレビュー・感想・評価

若者のすべて(1960年製作の映画)
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この原題を「若者のすべて」にしたのは歴史に刻まれるべき邦題。あとこのジャケ。

でもナディアの人生や尊厳って何だ?シモーネはもちろん、あれを眺めてた兄弟みんな地獄へいくべきでしょ。ロッコのポスターの顔を撫でる末っ子ルーカの手つきがいじらしいほど優しいだけにいっそう虚しいというか後味悪い…。兄弟間にあるその優しさ、兄弟にしか向けられないんだね。

ヴィスコンティはホモソーシャルを描かせるとすごいなってよく思う。意図的にしろ発露にしろ。

「毒されていくシモーネにロッコの寛容さが拍車をかけた。ロッコは聖人だが自分を守れない。実生活では無力だ。許してはいけないことまですべて許してしまう」チーロのこの言葉に尽きる。
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