前作『バタリアン リターンズ』からおよそ12年ぶりとなる続編。死者をゾンビ化し生物兵器にする研究を行なうハイブラテック社に、実験体として親友を誘拐されたバイク集団は、仲間の救出作戦を決行。だが、彼らの前に無数のゾンビたちが立ちはだかる。
身内と関わりの深い会社で秘密裏にゾンビ研究が行われているという点や、バイク事故で身近な人間が死亡したことで事が起こり始めるという点など、『バタリアンリターンズ』のストーリーラインを踏襲しているため、物語の繋がった続編ではなく、設定を借りたリブート作品としての意味合いを強くしている。
シリーズも4作目となり、ややネタ切れ気味。バイオハザードなどのメジャーゾンビコンテンツに影響を与えたであろう偉大な一作目の設定を擦りに擦ったことで、正統なナンバリングタイトルなのにパロディ作品にみえてくる。あらゆる続編ホラーが陥ってきた軽薄化のスパイラルに拍車をかけて、盛大におなじ轍を踏んでいる。
潜入したら施設で初っぱな武器庫にたどり着いて装備を手に入れるメチャメチャご都合主義な展開や、全員集合の図を撮っているのに部屋が暗く影になっていて前二人くらいしか顔が見えなかったり、仲間のせいで警報が鳴りっぱなしになってしまいモニター室の女の子が孤軍奮闘する様など、憎めない素人くささが微笑ましい。
ルーマニアとウクライナに場所を移して製作されたため、アメリカの田舎とは違った寒ざむしさが垂れ込めており、東ヨーロッパっぽいロケーションが散見され、作品に国際的な魅力を吹き込んでいる。オフロードバイクの一団が、道路以外にはほとんどなにもない平原をツーリングする場面がお気に入り。
世界で初となるチェルノブイリでロケ撮影が行われた映画として話題を呼んだとのことだが、なんか雰囲気ある廃墟がたくさん出てくるだけで、ストーリーにはほとんど活かせていない感じも正しくB級であるな、と。
マシンガンを撃ちまくる派手な銃撃戦や、武装した生物兵器ゾンビの素体として肉親の身体が使われていたり、恋敵の親友ゾンビとのステゴロのラストバトルなど、エンターテイメントとしての見ごたえ満載。
ゾンビたちが、ヘッドショットで倒されるのだけは解釈違い。バタリアンは、脳ミソ損傷しても死なないから怖いんじゃん。
好きなキャラは、ツインテールでメガネっ娘ベッキーちゃん。緊急事態なのに、拳銃の安全装置を外し忘れてカチカチやるのを何回も繰り返すドジっ子属性も持ち合わせる。肩に力をいれて棒立ちでバンバン!運動神経悪い撃ち方してて、萌えポイント高め。