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エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメアの消費者のレビュー・感想・評価

3.6
・ジャンル
スラッシャー/ホラー/ダークファンタジー

・あらすじ
スラッシャー映画の金字塔「エルム街の悪夢」シリーズ1作目の主人公ナンシーを演じたヘザーはSFXマンの夫チェイス、幼い息子ディランと3人で平穏な日々を送っていた
しかし近頃、彼女には大きな悩みの種があった
それは映画を思わせる悪夢と作中の殺人鬼フレディを思わせる不審なイタズラ電話
更にディランも夢遊病を患い様子がおかしくなっていく
不安と苛立ちを抱えるヘザーは作品に複雑な感情を抱いていたがその最中、新作への出演オファーが掛かる
彼女は受けるか否か思い悩むが夫チェイスの突然死を皮切りに否応なく作品の世界へと引き込まれていき…

・感想
夢に巣食う殺人鬼フレディ・クルーガーを描く「エルム街の悪夢」のオリジナルシリーズ最終作
前作が完結編であり今作は番外編と位置付けられている
また過去作を映画として扱い当時のキャスト達が本人役で出演、脚本が現実と化すという形でメタ的な構造の内容でウェス・クレイヴンが監督及び脚本に復帰
1作目で教師を演じたリン・シェイも看護師役でカメオ出演している

フィクション上の存在が現実の存在として復活してしまう、というプロットはベタながら面白いしウェス・クレイヴンが復帰した事もありコメディ色が薄れた点も良かった
しかし84年のシリーズ1作目から10年が経過しているにも関らず恐怖演出の出来はそこまで進化しておらずそもそもの悪夢描写自体がさほど強くないので逆にコメディでもないのにホラー要素も弱いという本末転倒な形になってしまっていた印象

脚本と悪夢及びフレディの関係や役者陣の本人役での出演という要素が揃っているんだから役者達が演じたキャラクターとの間で揺れ動く様な展開がもっとあると良かったんじゃないかなぁ…と個人的には感じる
古代の魔物とかそういうのも蛇足かな…
それに加えてフレディのビジュアルがより作り物っぽくなっていたり内容に対して尺が長いせいで冗長になっていたりと微妙な点も多い

それでも終盤の展開は読み聞かせしていた「ヘンゼルのグレーテル」が伏線として機能したり過去作の様な「マスク」っぽい描写があったりと楽しめた
そういう丁寧さが一貫して見られたらなぁ…
それこそウェス・クレイヴン本人も出演してるんだから脚本執筆で対抗したりとかしても面白かっただろうし…

とりあえずこれでオリジナルシリーズは完走
あとは「フレディVSジェイソン」とリメイク版のみだけどその前にまず「13金」を改めて完走してからそっちは観る予定
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