健多郎

ミラージュの健多郎のレビュー・感想・評価

ミラージュ(2007年製作の映画)
3.5
正義の灯は消えないはなし

通り魔に両親を殺された2人の兄弟
心を閉ざした弟を守るために肉体を鍛えていた兄は、偶然遭遇した事件で女性を救出した事をきっかけに自警ヒーロー・ミラージュマンとして活動を始める

ポップな感じのポスターと、「キック・アス」「スーパー!」を彷彿とさせるあらすじからエンタメ色の強いアクション映画だと思っていましたが、実際はとてもシリアスな話でした
主人公の背景からして重いし、時の人となってしまったミラージュマンへと向けられる感情も善意より悪意のほうが遥かに多い
日本のヒーローものや香港のカンフー映画を意識したような演出もあるものの、明るい映画とは言い難い

日常的に悪が蔓延る国で活動するミラージュマン
助けるべき弱者ですら、自らに悪意を向けないとは限らないというリアリティ
他の一般人ヒーローものとは一線を画す切ない展開の連続がとても良く、外見だけなら超ダサいミラージュマンがどんどんかっこよく見えてくる
主演のアクションもキレッキレの良作でした
健多郎

健多郎