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地獄への逆襲のHKのレビュー・感想・評価

地獄への逆襲(1940年製作の映画)
3.5
『地獄への道』の翌年に公開された続編です。
原題は“The Return of Frank James”
有名なジェシー・ジェームズの暗殺で弟を殺された兄フランク・ジェームズの復讐劇です。ただし、こちらは史実にかなり盛っているようで信憑性には欠けますが。
フランク・ジェームズがフォード兄弟を追い詰めて仇を討った事実は無いようですし。
でも、映画としては前作に続いてこちらも楽しめました。

監督はヘンリー・キングからフリッツ・ラングにバトンタッチ。
キャストもフランクを演じたヘンリー・フォンダを始め、前作の主要キャラがほぼそのまま続投しています。
仇役ロバート(ボブ)・フォード役はデビッドやキースの父親のジョン・キャラダイン。
見た顔の若造がいると思ったら、まだ十代の頃のジャッキー・クーパーでした(C・リーブの『スーパーマン』シリーズではデイリー・プラネットの編集長)。

そして、本作は美人スター女優ジーン・ティアニー(当時19歳)のデビュー作。
本作では女性新聞記者の役ですが、1940年代の最も美しい女優の一人と言われただけあってなるほど可愛いくてキレイ。私はお初ですが他の作品も観てみたくなりました。

一作目と同じく背景には南北戦争の影響が色濃く、ジェームズ兄弟は負けた南軍側。
前作に続いて登場する黒人の使用人ピンキーの存在も印象的で、主に北部の銀行や鉄道を襲ったジェームズ兄弟は南部で英雄視されており、そのことはフランクの裁判にも影響します。

本作の後半はフランクの裁判シーンですが、今回のフォンダは陪審員側ではなく被告。
(ちなみにフォンダが陪審員を演じる『十二人の怒れる男』は本作の17年後)。
また、本作でフォード兄弟がジェシー暗殺の様子を舞台で自分たちが演じて見せる嘘みたいな話は史実で、後にブラピの『ジェシー・ジェームズの暗殺』でも描かれています。

ところで、本作とは関係ありませんがジーン・ティアニーは後にある悲劇に見舞われており、その話を基にしてアガサ・クリスティが書いた小説が『鏡は横にひびわれて』だそうです。
偶然にも先日観た『クリスタル殺人事件』の原作ですが、同作品でエリザベス・テイラーが演じた役のモデルになったのがティアニーだとか。今回初めて知った逸話でビックリです。
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