あくとる

マルコヴィッチの穴のあくとるのレビュー・感想・評価

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)
4.5
奇妙でイカれた物語。
コメディだが切れ味の鋭いシニカルさを持つ。

他人の人生を疑似体験するのが映画だとすると、本作は映画についての映画なのかもしれない。
なぜ自分はこんな扱いを受けるのか。
恵まれているヤツラとは何が違うというのか。
誰もが一度は思うであろう、肉体という入れ物の縛りから放たれて、他人の人生を生きてみたいという願望。
または、人の頭を覗き見たいという好奇心。
その危険な魅力や中毒性をひたすら煮詰める。
結末の虚しさ。