信仰と復讐の話。
いいキャストが揃っているのに、キャラクターに全くと言っていいほど魅力を感じないのが痛い。悲劇の連鎖を断ち切ることなく、次々と繋いでいく復讐というプロットそのものは好きだが、キャラクターが活きていないのでストーリーも面白いわけがなく……。あまりのつまらなさに久しぶりに1.5倍速で観てしまった。
唯一の救いはハーヴェイ・カイテル演じるドン底ベテラン刑事の存在だが、やはり深く掘り下げきれていないので描写が生温い。彼の苦悩はこんなものじゃないだろう。いかつい顔をして「俺を独りにしないでくれ」とメソメソ泣き出すほどトラウマを抱えているのにあっさりしすぎ。もう少しどうにかならなかったのか?
印象に残ったのはレグイザモの双子役と十字架の蛇口くらいだろうか。オープニングクレジットの映像はお洒落だが……。
ちなみにジャケットはあたかもハーヴェイ・カイテルが主役という感じだが全く違うので注意されたい。