片腕マシンボーイ

マカブル 永遠の血族の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

マカブル 永遠の血族(2009年製作の映画)
3.9
「吐き気をもよおす邪悪とはっ、なにも知らぬ無知なるものを利用する事だ!自分の利益のためだけに利用する事だ…。キチガイが何も知らぬ親切な者達を!!てめーの都合だけでッ!」
そりゃあブチャラティもブチ切れる、ってなもんです
「悪魔のいけにえ」的な作品かと思えば、殺人一家にはバカなガキ供ブッ殺すの大好きだぜ!というソーヤー家のような崇高な思いも何もない、単なる屠畜業者でしてん…

雨の中で途方に暮れる女を親切心で助けた若者達、ところがその女はキチガイ一家の娘で若者達は次々と血の海の中でくたばんよ!って話

いやだから序盤はね噂に聞くほど血も多くないしハズレひいたかなぁ…なんて観てたんすよ
まずハッとしたのはヒロインがとっ捕まって刻まれるかと思った次の瞬間反撃に出るシーンな!
このヒロインがな70年代くらいのなんとかってアイドルに似た美人さんでな(すまぬ、昔のアイドルは百恵ちゃん以外はよくわからぬ)、その戦う姿に惚れ惚れしましてん!
そこから徐々に徐々に勢い増してきましてね血の量も増してきましてね
殺人一家の動機には先にも申しました通りにガックシきましたが、後半に行けば行くほどテンションアゲアゲな殺戮パーチーには「俺は正しいと思ったからやったんだ、後悔はない…こんな世界とはいえ俺は自分の信じられる道を歩いていたい!」というブチャラティの気高い名言が脳裏に浮かびましたよ
自分を信じて最後まで観て良かった!

しっかし、本作のジャケにも写ってるおばちゃんが本作の殺人一家の長なんですがな
このおばちゃんのヤバさな、なんかダッチワイフが動いてるみたいな違和感、肌の質感とかも整形繰り返した人みたいに生々しさが無くてな…まぁ、それにもワケがあるんですが、役作り?が凄い!
一晩で逞しく成長した美女とビジネスライクな姿勢をかなぐり捨て正真正銘のキチガイと化したダッチワイフのラストバトルはマヂ必見!

ダッチワイフの他にも色仕掛け姉ちゃん殺人鬼やら、マッチョな凄腕イケメン殺人鬼、デブの解体屋殺人鬼など選り取り見取りだ!武器だって日本刀に鎌にボーガンに…もちろんみんな大好きチェーンソーも登場するぞ!ブンブン!

まさにブチャラティが言うところの「ぶっ殺してやるってセリフは…終わってから言うもんだぜ。俺たちキチガイの世界ではな!」的な傑作でありました
心して観よ!

ちなみに本作にブチャラティ要素は一切無いぞ!