カネコ

闇のバイブル 聖少女の詩のカネコのレビュー・感想・評価

闇のバイブル 聖少女の詩(1969年製作の映画)
3.2
チェコスロバキア産ゴシック・ロリータ・ガーリームービー🧚🏻
シュバンクマイエルだったりひなぎくだったりチェコスロバキア映画はガーリーとグロのバランス感覚が独特で良い。好き。

今作は監督がシュルレアリズム系の方という事でストーリーよりも世界観楽しむ系作品になっている。とうかストーリーが説明不足だし矛盾してるのでストーリー追うのは厳しいかも。
大人の階段を昇るヴァレリエの性に対する興味と恐怖がテーマ。
そこに吸血鬼・魔女・ペスト・信仰などのホラー風味の味付け。

主人公ヴァレリエは13歳。草原を歩いていると白い花の上に血が落ちる。ヴァレリエが初潮を迎えたシーンの表現が耽美。
ヴァレリエの白い部屋とベッド、レースのワンピースや耳飾り、真珠、白い鳩🕊️
度々口にする林檎の実やワイン🍷
全てが純潔を象徴している。

黒い馬車と黒いマントと仮面の男🐦‍⬛
男女の性器部分が巣穴の蜂の巣箱🐝
鞭打ちする男たちと魚を自分の肌に触れさせる女たち🐟
こういうイメージを観ているだけでも楽しい。

お祖母さんが若さを妬んだ元恋人の仮面の男が全然若く見えないし寧ろ歯の健康を心配してしまうビジュアルな所とか、宣教師のヴァレリエに迫って失敗した後火あぶりにする手のひら返しとか、登場人物が死んだのにすぐ生き返ったりする所とかツッコミどころは多々あるけど全て少女の妄想と思えば納得。
生理中はホルモンバランスの関係でメンタル不安定になるしね。

聖書にローズマリーを挟んで乙女の説教を聞きに教会に行くとかめちゃくちゃロマンチックで好きなシーンだけど説教の内容がキショ過ぎだった。
全編どこを切り取っても美しくて白い壁とハーブのグリーンが映えてた🌿

ただストーリーが本当に無いので何度も寝落ちしそうになったのも事実。
カネコ

カネコ