タイトル『恍惚』にて観賞。
燦々と照りつける真夏の太陽、縁側、簡易プール、けたたましく鳴き続ける蝉の声、そして延々食べ終わらないそうめん。若くして夫に先立たれた未亡人、彼には前妻との間に同い年の息子がおり、その義理の息子に亡き夫の香りが染み付く部屋で、彼が使っていた枕の匂いを嗅ぎながら抱かれる。亡き夫の弟、要するに義理の弟との再婚を勧めてくる亡き夫の兄、自分の元カレと付き合っている親友、自分と義理の息子との関係性を疑う彼女、突如現れる亡き夫の前妻、幼くしてして死んだ義理の息子の妹。複雑怪奇な人間模様、歪で危うくどこかおかしく、繋がっているのか繋がっていないのか、そうめんの如く絡み合う友情、痴情、愛情、血縁、そして性器。たかだか60分程度の尺にとことん詰め込まれる関係性、彼・彼女らの立場は常にころころと変わっていく、しかし破綻はしておらず、絡み合いながらも喉越しは良く、そして最後は…予感。これは今の時期観ないと駄目なやつ、もちろんお供はそうめんで。