完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。
とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。
さて、今回鑑賞した作品は……
『ザ・プライバシー』 LDで鑑賞。
1996年 アメリカ サスペンス、スリラー 先客2名様
花屋を経営するテレサは、ある日、子供モデルだった経歴を持つイケメン青年ジョシュと出会い、同棲を開始。そのうちに彼の子供を身ごもる。
幸せな生活が続くかと思われたが、のちにテレサは、ジョシュが暴力的な内面を秘めていて、精神的に不安定だということに気付く。
意を決して彼と別れ、子供も堕ろすことを決意したテレサだったが、父親になることに喜びを感じていたジョシュは、テレサを中絶ができなくなるまで彼女を監禁してしまう。
時期が来て解放されたテレサは、ジョシュを誘拐罪で訴えるが、それがさらなる悪夢を生み出すきっかけになってしまうとは、彼女自身、知る由もなかった……。
さわやか好青年が実はサイコだった系のスリラー。
開始15分で「出会う→付き合う→同棲→妊娠→DV→別れ話」と、超ハイペース。メインはテレサとジョシュとの、法廷やマスコミを巻き込んだ壮絶なバトル。
とにかくジョシュの狂気ぶり、狡猾さが凄まじい。実にうまく立ち回り、彼の弁護士の協力を得て、大衆やマスコミを利用し、テレサを中絶で赤ん坊を殺そうとした冷酷な女として、逆に彼女を悪者に仕立て上げる。誘拐犯であるはずの彼は、逆に中絶運動の象徴として祭り上げられる。いやー、こういう悪者は分かりやすいマフィアやギャングよりも、ある意味実に厄介。ねちっこいいやらしさがある。そんなジョシュ役の俳優の演技にも要注目。
他にも、テレサの友人、シンディ役にナオミ・キャンベル、ジョシュの弁護士スタイルズ役にシャーロット・ランプリングと、脇を固めるキャスト陣も多彩な顔触れ。
特に意味があるとは思えない画面分割演出は若干気になったものの、どんな結末を迎えるのかが気になって見入ってしまう、そんな映画だった。
余談だけど、個人的にジョシュの一番許せない点は、何の罪もない猫を殺したことだ!