akubi

怒りの日のakubiのレビュー・感想・評価

怒りの日(1943年製作の映画)
5.0
光と影のゆらぎ。それはひとの善悪のまたたき。泉の水面に映った三者三様なあの木の閃き。彼女の妖艶な輝きは、うちなる魔女の気づきか恋の開花か。魔女の娘を娶った牧師の過去は罪か救済か。けれど彼女はたしかに愛すべきだったひとの死をねがった。神も悪魔もない。人を殺すのはひとのこころ。それはわたしの見た、泉にゆれたあの木の影のカタチなのかもしれないけれど。

映されたやわらかな光と影とその輪郭のたしかなうつくしさ。神に踊らされるにんげんの儚さと悔恨がさびしく零れた。
悪魔の槍みたいな天井から吊られた燭台。完成されなかった可哀想な刺繍(夢)。なにもかもが完璧にすきだった。
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