怒りの日の作品情報・感想・評価

「怒りの日」に投稿された感想・評価

AS

ASの感想・評価

4.4
所持DVD再鑑賞。クリティカル・エディション版。
悪しき慣習である魔女狩りと妻の不貞行為を同列に配置する事でより充満する官能的空気。確信犯。
白黒コントラストや室内カメラの運動は眼福の一言だが、ただそこに居るだけでサスペンス&エロスを同時発生的に横たわらせていくリスベット・モヴィーンの佇まい、オフの吹きすさぶ風音には恐怖すら感じる。
去年再発されたトーキーBDBOXって最強の3枚だなって今更ながら思う。全盛期メッシ・ネイマール・スアレスみたいじゃん
いやもう林檎を食べたイブのように禁断の恋に手を出しちゃう若妻の背徳と、ミソジニーを過大に含む魔女狩りをかけ合わせるドライヤーおそるべし。
歳の差親子ほどの夫といかつい義母と暮らす暗い家(格子の多さ=牢?)と、好きな人と逢瀬をかさねる外の瑞々しさに妻の心理が投影されていた。
リベスト・モーヴィンの挑発的な目に魔がみえてゾクっとしたけどそれって完全に自分の内から来るもので、たぶんこれドライヤーに試されてる。
恋をするにつれ装飾的になっていく襟と顔を強調する黒い服。ラストの白服と黒服も示唆的。
老婆の断末魔と言霊に殺される司祭には同情する術もないが、若妻の言霊はなかなか容赦ないな。
宗教的かつ寓話的で影の使い方など美しい映像表現と煮え滾った鍋のような内容のコントラストさすがだった。
impre

impreの感想・評価

-
傑作。ドライヤーで1番分かりやすく面白い。長回しで緊張感ある会話を捉えたかと思ったらシーン終わりでカッコいいクロースアップを入れたりするのがニクい。アンとマルチンの小舟のシーンとかも美しい。特に嵐の夜、母親が寝たあとのシーンがすごい。
あかね

あかねの感想・評価

4.1
こちらもりょこさん経由で
カタパルさんにお借りしました🥺🙏!
ちょっと前にドライヤー販売開始して
買おうと思ってたので
ありがとうございます!!!

初ドライヤー🙆‍♀️🌸
デンマークの巨匠!
映画監督の前はジャーナリスト!
かっこいい( ´∀`)!!!

最初、ドライヤーだめかも
合わないかも..思ったら楽しかった!!!
魔女狩りとかも絡んでて
あれはひどいね...
おばあさん可哀想だった。
しかも火あぶりの横で
子供達に歌わせるって!

内容的にはただの不倫でしょ笑?
旦那様に復讐とゆうなの〜みたいな
言い訳してたけど
ただ若いこと不倫したってゆう笑🤣🌸

途中でせせらぎ〜愛の唄みたいな
完全に恋盛りあがちゃって
的なシーンあるけど
グリーンみたいな歌詞でうけた笑

ラスト付近の美人の切れ具合も
ホラーぽくてモノクロで際だってよし。
しかし、男にも責任あるよ。
あの逃げちん野郎は許されない。
それはまじで怒りの日。

しかし画は好み!!!
色々美しい、、、
苦手なベルイマンぽいかな思いきや
結構これはこれでネタみたいでうけた笑
現代の科学の立ち位置に宗教が君臨していた時代。所謂、あらゆる物事が科学的に未解明で、現代のように科学が世の中の真理を解き明かすものとして世間一般の常識に君臨しておらず、その代わりに宗教が世の中の真理を導き出すものとして世間一般の常識を勝ち得ていた時代。本作の舞台はそんな時代のノルウェー。キリスト教の教義が世間一般の道理や常識として浸透していた中世ヨーロッパ。しかもその中世の中でも正統信仰の教義に反する者を異端として排除した「魔女狩り」が流行した大迫害時代と呼ばれる17世紀。17世紀は「17世紀の危機」とも呼ばれ、戦乱、疫病、政情不安定などが深刻だった混乱や波乱の時代。そんな暗黒時代の救いを宗教に強く求めた結果、狂信的になり「魔女狩り」が魔女熱狂と呼ばれるほどに流行したのだろう。近代の度を超えた科学の発展も人間が自然を超越して神に近づていき恐ろしいものがあるが、逆に科学が未発展で民衆が宗教の教義を噛み砕かずに丸々鵜呑みにしていた時代も等しく恐ろしいものがある。その教義に反している人々が裁かれ処刑された「魔女狩り」。魔女として告発された人々とは主に、集団的な妄想の犠牲者やマイノリティ、同性愛者や姦通者、隣人の恨みを買った人たち、悪魔憑き、などらしい...。見えてくるのは相違性や独自性、多様性の排除。告発理由として多かったのは、雨が降った、地震が起きた、授乳期の女性の乳の出が悪い、家畜が死んだ、などらしい...。科学の未発展時代の恐ろしさを感じる。魔女の証拠を裏付ける特徴としては、猫を飼っている、一人暮らし、高齢者、友人が少ない、教育を受けていない、などの証言が考慮されたらしい...。教義に沿って自分を律していなければ、あらゆる手段で告発され、一度裁判にかけられると無罪になることは稀で、釈放されることはほとんどなかったらしい。もし自分もその時代に生まれ落ちていたら教義に反し異端裁判にかけられ火刑にされていた可能性が高い...汗 多様な生き方が認められている現代に生かされていることに感謝。本作は実際にあった事件を参考にしているという点も凄まじさを物語る。作品全体に満ちているゾクゾクするような悍ましさは圧巻。そして1943年にナチス支配下のデンマークで撮影された本作は、魔女狩り=ユダヤ人狩りとして、ナチスへの痛烈なメタファーでもあった!? 中世の魔女狩りやナチスのホロコースト、幕府のキリシタン弾圧やアメリカの黒人奴隷制度など、人類の歴史に区別意識や迫害は付き物だが、同じく恐怖心を源泉として発展してきたあらゆる科学のおかげであらゆる因果が解明されていき更には進歩していき、ここ数年で多様性を認める社会が出来てきた。今ある自由は先人達の積み重ねられた犠牲と学習の産物だと改めて思わされた。
相変わらずの映像美は言わずもがな、ベルイマン作品にも似た"怖さ"が凄い。自国の負の歴史をレジスタンスの題材に使うとは、なんとも知的作法を心得ていて流石世界の巨匠である。「奇跡」や「裁かるるジャンヌ」ほどのインパクトは無いが、文句なしの傑作であった。

このレビューはネタバレを含みます

カール・Th・ドライヤー監督作品。
これも監督の前作『裁かるるジャンヌ』と同じく異端審問、いわゆる魔女裁判を通じて女性への社会の抑制と不寛容を主題に据えた作品です。

本作の特徴は登場人物達が皆、立ち位置が曖昧で弱い人である事が挙げられます。
それは作中で魔女だったのか否かを問われるアンナやマーテは勿論、それを審問する立場の人々にまで及びます。
魔女とされるマーテの言葉から、それが本物の呪いなのか自己暗示か分からぬ儘病に倒れる審問官。
審問会公証人であるアプサロンもまた、過去の行為に思い悩み、妻と息子の関係に揺れる人間として描かれています。
これは前作『裁かるる―』での超然として正義を疑わない、それ故現代人から見れば滑稽な程愚かしい者として描かれた審問官では無く、「一人の善悪両面を備えた弱い人間」が行った「一人の女性」へのレッテル貼りであり、審問である、と捉えられます。
私にはこの点にこそドライヤーの主張が込められている様に感じられました。

本作を撮影当時ナチス・ドイツに占領されていた、デンマークの社会情勢に当て嵌めてナチスへの批判を暗示していると見るむきも有りますが、原作となった戯曲もあり、歴史を知っている後世の人々の俯瞰的で牽強付会な意見の様に見受けられます。
先述の通り、本作は批判のみを向けた作品では無く、社会抑制と『裁くもの』を知悉し赦す事を説いた作品だと感じます。

グレゴリオ聖歌の『怒りの日』の合唱が素晴らしく、また切なく余韻を残す映画でした。

評価は個人的な好みで減点しています。
アンナの開き直ったふてぶてしい態度も、マーチンの裏切りも、私には醜く映って見えたので。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.9
めちゃめちゃホモソーシャルを感じた。
男たちが次に獲物になる女(魔女)を探して楽しんでるような。
同時代に生きている人たちだからしょうがないのかもしれないが、人が火あぶりにされるのを観に行く心境、そこで子どもに歌わせる心境が理解できない。

アンネの視線の鋭さと芯の強さ。
そして、最後の場面の白装束(他はみんな黒)。

十字架の上に屋根がついた墓が印象的だなと思っていたら、最後にまた出てきた。あれは何の意味が?
カール・テオドア・ドライヤー祭り
3/3

これが3作中一番好み☆
93分と短いのも良いw

魔女裁判での犯人探しみたいな話かと思いきや、魔性の女の変化が楽しいモノクロ・ドラマ!

母親役がサノスにしか見えなくて困りました(笑)



魔女裁判が盛んな時代。

アプサロン牧師
若い後妻アンネ
サノスな母親

そこへ前妻との子であるマーチンが帰って来た。

で、よくある話。
若いマーチンとアンネが恋に落ちてしまい………



アンネが美人☆

最初は清楚でオドオド、姑のイビリにもビクビク。

が、LOVE注入!
どんどん妖艶になっていく!!

分かりやす過ぎにマーチンを誘惑、サノスを鼻で笑い、公然と夫の死を願う。

彼女は魔女なのか?
彼女の母親のように?

いや、ただの不倫でしょ(笑)??

『ゲアトルーズ』もこれくらい美人なら入り込めただろうなぁ~w

前2作のような舞台っぽさはなく、映画な撮り方も受け止めやすかったです。


これにて祭りは終わり♪
最後が好みで良かった(〃∇〃)
老婆が火あぶりになるシーンとかはちょっと印象的、、、だけどまだ修行が足りないのか、ドライヤーさんの凄さがピンとこない