■不遇の女性アンネと同監督の母親は似ている?〜🎬■
本作は、魔女狩りが横行する混沌とした時代を背景に、複雑に絡み合う人間関係を美しいモノクロ映像で描いた作品。
宗教と人間の罪悪感をうまく表現してあり、とても面白かった作品であった。
ところで、本作の主人公アンネは、カール・テオドア・ドライヤー監督の母親の運命と似ているように感じた。
同監督の父親はスウェーデン在住のデンマーク人、裕福な地主であった。
一方、母親はスウェーデン人で、父親の家の女中であった。
同監督は私生児として生まれ→乳児園→厳格なドライヤー家の養子となった。
同監督の母親は、同監督を身籠った後、デンマークで産むことを強制させられた。
同監督の母親は別の男性との間にも男児を身籠ったが、その男性も結婚を拒否した。
その為、同監督の母親は硫黄の過剰摂取にて死去した。
「男性中心社会で抑圧された女性」
同監督は、自身の母親の人生の不遇さを、本作を通して描いているように思えた。