えいがドゥロヴァウ

フレッシュ・デリのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

フレッシュ・デリ(2003年製作の映画)
3.6
「いやいや、もっと早く味見してろよ!!」
この一言に尽きます

デコッパチで汗っかきのマッツ・ミケルセン
なかなか見られない姿
ハゲって本当に、人の印象を変えるものですね…

自身の店を開くことにした肉屋のスヴェンと仕事仲間のビャン
不慮の事故で人を殺してしまい、また同じ日に妻から三行半を突きつけられたショックで錯乱したスヴェンは
その死体の肉をチキンマリネと偽って売ってしまう
それが評判を呼び、お店は大繁盛!
小さいときから虐められ人に愛されたことのなかったスヴェン
お客さんが喜んでくれるのが嬉しくて嬉しくて
もうやめられない止まらない

物語はビャンの双子の弟の存在や彼らの過去、ビャンの新しい恋人などが絡んで予想外の展開へ
冒頭の全く楽しくなさそうなバーベキューの風景から
画面は終始殺風景で寒色で重苦しい
題材こそ猟奇的だけれど
残酷な描写は避けられており
特にスヴェンの天邪鬼で天然ボケなキャラクターや
共犯関係にあるビャンとの漫才のようなやり取りが何やら朗らかな空気を醸しています
テンションの低いボケ(スヴェン)とテンションの低いツッコミ(ビャン)
何ならスヴェンの手当たり次第な「仕事っぷり」も途中からギャグとして見れてしまいます
独特なユーモア
ジャンルとしてはヒューマンドラマでしたね

ドラマとしてはビャンの弟との関係性にちょっとグッときてしまいました
憎んで慕われ、切っても切れない血の繋がり