菩薩

ジャン・ルノワールのトニの菩薩のレビュー・感想・評価

ジャン・ルノワールのトニ(1935年製作の映画)
3.4
いやほんトニ…いつの時代も人生を破滅に追いやる二大要素は痴情のもつれと金銭トラブル、しかも財産分与のそれってのはど定番中のど定番で、何一つ気持ちいい話ではないのだが、背中を巡るエロスなやり取りのお陰でなんとかギリギリ均衡が保てている感じはある。蜂に刺される→毒を吸うあのやり取りは当然エロいし、その跡を見せる→ノーブラがバレるもエロいし、DVの跡を見せる→ノーブラがバレるもエロい。小さなコミュニティの中で惚れた腫れた刺した刺されたしてんのがほんトニ不潔。幾らでもドラマチックに描けそうな話題を抑制の効いたリアリティタッチで描く&助監督にヴィスコンティって事でネオレアリズモの先駆との評価だそうです。入水自殺を計るボートのショットと線路を疾走するトニのショット、暇だけど暇じゃない!ストーカーしてるだけじゃん…。
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