ねこと生命

借りぐらしのアリエッティのねこと生命のレビュー・感想・評価

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)
4.0
少女の成長ストーリーであり甘酸っぱい初恋物語。

上映時間は94分と短く、え!もう終わった!びっくり!とはじめは名残惜しく感じました。
しかし、たった1週間うちの話なので、わずか一瞬の、でも生涯心に残るような”特別な儚い恋”を表現するのにはふさわしい時間だったのかなとも感じました。

この先に危険があるかもしれない、それでも翔を知りたい、会って自分の気持ちを確かめたいというアリエッティの止められないまっすぐな恋心がなんとも可愛らしかったです。

お互い好きだからこそ、「小人」と「人間」であり2つは交わらないという運命を受け入れて、一緒いないことを選んだ最後が切なくて苦しいくて、だけれどとても感動しました。
結ばれなくても、2人にとって、なくてはならない出会いであり時間だったと思います。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、こういう終わり方が好きです。

アリエッティ家の家具も部屋も私好みで、すべての空間が好きでした。
それをそうやって使うんだ!という小人の知恵、ミニチュアの面白さも楽しめました。
子の好奇心を育て、𠮟るべき時は叱り、温かく家族を守るアリエッティ父も好きです。

そしてなんといっても神木隆之介の声が好きです。