ラストのシークエンス、階段上からの構図から始まるところが特に好き。
テレビの音声、インタビューの会話、寝る前のおとぎ話、流れる曲、色んな所に意図が散りばめられているが、いちいち立ち止まらず見ることもできる。
空きテナントでのおじさんとの会話が、この映画で一番語りたかったことなんだろうなと思った。
今の時代なら、トランスセクシャルの理由を愛着に持っていかないだろうと思ったし、本映画はむしろ、そっちが骨子になっている。
そういう意味では、現代のトランスジェンダー的な映画の感覚とまた違うなと思った。
運転手役のギュンター・カウフマンは『第三世代』のフランツ。