Saaaaa

13回の新月のある年にのSaaaaaのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
5.0
愛してるだなんて言うけど、それはきっとその時の相手が 「男」であり、「若者」であり、「細身」であり、「同業者」であり、「私を受け入れた」からである。その人を好きなのではなく、その条件が好きなのである。しばらくは変わり続けないであろうと思う条件が好きなのである。(例えば相手の性別、金、顔、体型)

また、同情や子どもの存在が愛のようなものの関係を強制的に繋ぎ止めようとする。


愛は求めたら与えられるものと思い、求めたものが帰ってこないと相手にも、相手に対して望んだ自分にも絶望する。強く望むな、相手にも自分にも。


自分が心のままにあり続ける方よりは相手に(その状況に)適合した方が望んだ幸福を手にできると考え、訪れるのを信じ続けた結果、その幸福というものは訪れないことを知り、手元には自分とは何かが不明であるという状態が残る。


全てが嫌になり希死念慮で脳がいっぱいの時は毎年ある。今まで死ななかったのは過去と比較した時にまだ現在が幸福である、つまり現在よりは未来にまだ幸福なこと希望があると思うからである。
しかしながらある時、毎年この様で長い目で見た時に不幸から脱却できていないと考え強い絶望感に襲われたらどうだろうか。今、生きている状態で追い求めいた幸福をより一層生の後、つまり死後に求めるのである。
大勢が死の扉を開かないのは社会的な制度の面々もあるだろうがそれとは別に、幸福を望んで死を選んだとしても死後が必ずしも生きている今よりも幸福である可能性が全く持ってわからず、現在の生の状態に引き返せないことを知っているからである。
Saaaaa

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