ユースケ

イノセンスのユースケのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
4.1
2004年でこのクオリティ。内容は難解過ぎるけど映像、演出と2000年代の到達地点ともいえるというかこれを超えている映像クオリティのアニメーション映画って未だにまだ無いのかもしれない(流石に無知かも)
大人な会話が繰り広げられて観てて心地良い。攻殻の声優さんは偉大。
引用だらけで、???ってなってる時にトグサが「仕事の話をしようぜ」が有難い笑
外部記憶装置を介して話している者達の会話は攻殻らしくて好き。(意味が分かるかは別としてそれを調べるまでが楽しい)

今作は前作で少佐がゴースト(魂)について葛藤していたが、今作ははバトー。

俺が浅いからなのか、ハラウェイの会話は妙に納得感がある部分もある。

ただキムのゴーストの宿らない無垢な存在こそ、それは神に近いとする的な理論は滅茶苦茶過ぎるだろとツッコミ入れたくなった、バトーほどの信念は無いけど、愛犬にゴースト(魂)が無いなんて思った事はない。というか昔自分自身、人形遊びが好きだったから人形や愛着のあるものにはゴーストがあると願っている部分がある(だからこそハラウェイの話はちょいと効いてしまう)から、守護天使(肉体は無くゴーストだけを持つ存在である少佐)のおかげで打破できる展開はアツい。

その後の少佐との共闘も良い、けど最後にバトーさんはこの後も孤独に葛藤し続けることが確定してしまうから哀愁溢れて切ない。

コピーとはいえゴーストを持っているかもしれない人形の被害を考えずに、SOSを出した少女に対してバトーさんがキレるシーンが何とも言えない、バトーさんもサイボーグでほぼ機械、境界線は何処?というかこの方法以外でこの少女はどうやって助けて貰えた??これ少女が報われないからなかなか胸糞展開ではあるんだけど、この世界感で優先されるのはどちらの魂であるべきなのか?という点からは平等なラストともいえるのかな。

実際にAIや機会が自我を確立してゴーストを持った場合どうなるんだろうか。今の自分の知識だけじゃ語りきれない無理。何回も見直す。


臓器移植などで人格が変わるという話があるけど、それこそゴーストなのかも。それを体質と行ってしまえばそれまでだけど、自分自身を証明する為に魂はあるんじゃないかな。
ユースケ

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