哲学を近未来科学に結び付け社会の問題、人間の根源を問う攻殻機動隊シリーズは日本が誇る唯一無二の作品で大ファンです。
そのスピンオフであるこの作品もシリーズのテーマは揺るがずより重厚で麗美な映像で世界観を見事に演出してる。
難解で理解が難しい部分も多々あるが、これは近未来という仮想世界空間をリアルに構築し創り出しているからだ。
僕らが今生きているこの世界で当たり前に話している言語や知識や社会における常識などが一世紀前の人間に理解できないのと同様に、近未来の行動や発言が理解に難しかったり意味不明なのは当たり前だと思う。
それでもこの作品に、心を惹かれるのは「人間とは何か。」という真理がテーマだから。
この真理の答えは過去から現在に至る人間が抱く共通事項であり、科学的に発展した近未来でも明確にならずむしろより複雑な問題となり苦悩しそれでも生きるという普遍さにある。
迫力があってカッコ良くて喜怒哀楽の感情を突き動かしてくれるような作品だけでなく、こういう作品もあるからこそ日本のアニメは凄いと思う。
ぜひ押井守監督には長生きしてもらってさらなる深みに電脳ダイブしてもらいたい。
