チープで味わいあるディストピア映画と思って見ていたらラストの印象で全部持ってかれた。すべてがあのラストのための前ふりみたいにすら思える。
元が短編小説と知りなんか納得。
荒廃した2024年の地球、少年(といっても青年に近い若者)ヴィックと犬のブラッドが食糧と女性を求めさまよっている。
やっぱり最終的に残るのは食欲と性欲なんだな。
不思議な地下世界を発見し、女性も存在するその世界に歓喜するヴィックだが…。
地下世界の白塗り人間、真新しくはないしチープさ丸出しだが十分に不気味。
そもそも、人間とテレパシーで会話する犬って設定もブッ飛んでる上に、あのブラッドの声と喋り方が完全にオッサン。
なので、ヴィックが年長のブラッドから助言を得ながら過ごしているように見えてくるのも絶妙。
極限状態で欲の通りに行動する人間、繁栄のために手段を選ばない人間、そんな人間たちの中でヴィックはどう振る舞うか。
それであのラスト。なんだそのオチ!っていう。良くも悪くもヴィックらしさ(!?)、衝撃的だが納得はする。