井出

シュワンクマイエルの不思議な世界の井出のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

食欲、睡眠欲、性欲、また娯楽欲など、全てに対して反発している。受動体たちの反発もある。仕返しか。とにかく人間の生きることに関する全てに、反発し疑問を投げかける。そして何より、生きていないものが活き活きと生きている。人間はもう死んでいるのかもしれない。生きているとは言えないのかもしれない。生きているとしたら、恐怖しているときだ。人の恐怖を描く場面が多い。そのときのみ人は活き活きとしている。食べること、寝ることなどを今やかなりの範囲でコントロールできる。生きることは自然。だが50%以上がもはや人為だ。シュバンクマイエルの思想は当然だ。現代の隠れた常識だ。異常なんかではない。

永遠の会話は破壊、人間が繰り返してきたこと。じゃんけんだよ。
情熱的会話、男女の合体、長くは続かない、子どもはいらない。
不毛な対話、最初は思いやり、でもそれはただのエゴ、相手は求めてない、すれ違う、お互いに見返りの愛はなく、ただそれぞれが疲弊する、思いやりは不毛か、手厳しい

世界観ははんぱないが、言わんとしていること、考えてることはわからんでもない。でもこんなに異世界体験をできるのもそうはない。とにかく大変。

また子どもを描くときの大人への反発も見える。かれはまだ子どもなんだ。欲に汚れた大人が嫌いなんだ、彼らに触れること自体虐待なのかもしれない、無関心さえ虐待な気もするが

そしてとにかく子どもに見せたら変人に育つ。あと監督を研究したらノーベル賞とれると思う笑

ばかにでもこれだけ哲学感じさせるんだからもっとすげえ
井出

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