あお

悪い子バビー/アブノーマルのあおのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

日本での劇場上映初、レビューが総じて良かったので観ましたが、、私は好きじゃなかった。
以下つらつらと書きますが、多角的な視点で本作を観られなかった私の個人的な感想です。高く評価されているので傑作なのには間違いありません。記憶違いで間違っているところあるかも。

●序盤
鬱屈とした雰囲気はきついけど私は好き。
夫に置いていかれ、狂気に染まった母親の偏愛を一身に受けるバビー。母親の言うことに絶対服従していて、動くなと言われたらたとえ尿を漏らすことになっても言いつけを守る。
母親は基本的に冷たいが、セックスのときはうってかわって「いい子」とバビーを慈しむ。この体験を重ねたことで、バビーの中でセックスと「いい子」が結びついたのでは?と後々の展開から思いました。(※)
外から来た猫の存在や、母子ふたりの異様な空間に父親が帰還したことによって、バビーは現状に疑問を持つようになる。やがて無自覚とはいえ猫を殺し、両親をも手にかけて外の世界へと飛び出していく…
初っ端からド鬱!!これからどう展開していくんだろう〜っていうワクワク感が序盤にはありました。

●中盤以降
外を彷徨いていたバビーと謎に打ち解け、行きずりの関係になった聖歌隊?の一員である女の行動が理解できませんでした。明らかに激ヤバ人のバビーになぜ股を開く?この女、相当の好きものである。神の御使いは慈悲深いってことか。
初っ端バビーに成功体験与えちゃってるんですよね。そりゃ35年に渡る監禁生活で世間一般の常識なんて弁えていないバビーだから仕方ないんですけど、セックスをする=「いい子」と褒めてもらえる(※)=〈女〉との正しい交流法っていう構図がバビーの中で確かなものになるじゃん。だからバビーは以後見境なく女性に手を出す。
その結果、刑務所にぶち込まれて鶏姦されていましたね。

バンドについて。
自分にかけられた言葉を叫ぶことしかできないバビーは色物的存在なのかと思っていたら、一気にスターダムにのし上がっていてびっくりした。パンクロックってそういうものなの?分かんないよ。
バンドメンバーは最初の頃、猫の死体を取り出したバビーと死体(バビーの両親)の記事を結びつけて、みんな「犯人こいつじゃね?やべぇ…」ってたしかなってたじゃん。なんでそのまま何事もないようにバビーをバンドメンバーにしているの?分からん。

後の妻・エンジェルについて。
ひょんなことから知り合った障がい者施設で働く女性。ふくよかな容姿はバビーの母を彷彿とさせる。
初っ端からバビーお得意の交渉術(たしか胸を見せてとか言ってたはず)でコミュニケーションを取ることに成功。だからなんでだよ!この映画に出てくる女の貞操観念どうなってんだよ!

言葉を発せない障がい者の言いたいことがなぜか分かるバビーは施設で働くようになり、徐々にエンジェルと親睦を深め恋人同士となる。彼女の実家に招かれ、彼女の両親と食事をすることに。どうやら両親は毒親らしく、エンジェルのことを罵倒しまくる。バビーはそれに反論して、エンジェルの手を取って立ち去る。
相変わらずバビーは過去自分が言われた言葉でしか基本的に話さないんだけど、両親の詰りと噛み合っていてちゃんと反論できている。愛する人を守るために適切な言葉を選んで、手を取って有害な存在から離れた。ここは数少ない中盤以降の好きシーン。

途中教会みたいなところから工場に飛んで、謎お爺さんが宗教じみた話もしてくれたんだけど私はあんまり分からなかった。無知でごめんなさい。
最後はエンジェルとの間に2人の子供を設け、庭付きの家で幸せそうに過ごす一家の様子が描かれて終了。
え、これでいいの?いや、あり得ない環境下で育ってきたバビーが幸せになれるのは何よりなんだけど、両親の自業自得とはいえ、こいつ人殺してんだよな…という疑問が拭えなかった。

単純に私がこの映画を生理的に受け付けないんだろうな。
色々考えた結果、バビーにセックスを仕込んどいたのが母親の唯一の功績なんじゃないかと思えてきた。馬鹿な感想で申し訳ない。
あお

あお