田舎で燻っていた警官が、偶然転がり込んできた凶悪事件に
すっかり舞い上がって張り切るが…というプロットに、
ちょっとばかり「グライド・イン・ブルー」を想起しました。
夢見ていた“甘い”未来は笑われて否定され、
代わりに差し出されたのは、目を背けていた過去の“罪”。
グリグリチクチクと精神的に締め付けられる、
苦くて地味な味わいにも、相通じるものが。
また、事件自体の緊張感を牽引してくれる、マイケル・ビーチ演じる
犯人一味プルートの不気味な佇まいも印象的でした。
主人公デール同様、燻る内面を抱えた中年男性の
心の一本になりそうな作品でした。