19世紀ウェールズの炭鉱町に暮らす8人家族の末子ヒューが少年時代に起こるよいことつらいこと含め数々の出来事を回想してゆくストーリー。変わりゆく時代、失われゆく伝統、荒れてゆく人々の心。ヒューの生きる少年時代は、艱難に満ち、つらい思い出ばかり。しかし、ヒューはそれを乗り越えて強い人間になっていく。そして、家族がひとつだった頃の思い出が、少年時代に彼を支えたすべてのものが、彼の存在をその後も支え続けてゆく。何という素晴らしい、骨のある、ソウルフルなテーマだろう。こんなに直球な映画、久しぶりに見た。 この輝きに満ちた美しさ!詩情!ノスタルジア!民衆が歌うソウルに届く歌声!すべてが、素朴に生きる人々への愛であり、エールであり、敬意だった。いちど全編見終わったら、最後に、ファーストシーンだけもう一度見てると、あぁ、そうだったのか、と涙あふるる。