このレビューはネタバレを含みます
基本的に王道のハッピーエンドなんだろうけど、何だかモヤモヤしてしまった。
まず、叔父があんなに若い甥への嫌がらせに執着していたのが不自然に感じた。何か若いイケメンにコンプレックスでもあったのだろうか?
悪役としては叔父と校長先生が分かりやすいキャラではあったが、叔父に関してはもう少し人物像の深掘りや救いがあっても良いような気はした。
周囲の人達も、表面上は上記の悪役を迎合しているが、実は主人公の味方ということが判明したりして、勧善懲悪な展開になっている。
ニコラスとマデリンは運命の出会いと言っているが、はたしてマデリンがロンドン一の美女でなくてもニコラスは一目惚れしたのかな?そしてマデリンも、自らを救ってくれるのが老齢のマルデリー卿から若いイケメンであるニコラスになっただけで構図は変わってないのだが…どうもマデリンがニコラスのどこに惹かれたのかが分かりにくかった。
スマイクが片想いのケイトの髪の毛をこっそり集めていて、棺に入れてくれとニコラスに頼んでいるのも気持ち悪い。
この作品を観ると若い美女って勝手に男達から色目を使われたり髪の毛を集められたりして、本当災難だよなと感じてしまう。
この時代の女性は自活の道がなかったのかもしれないけど、若い美男美女が正義!みたいなルッキズムと、女は男に見そめられるのが1番の幸せ…みたいな無言の価値観の圧力を感じて、ちょっと閉口してしまった。