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ミルドレッド・ピアースのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)
4.0
【冒頭が凄い!】
映画評論の本で解説されていた作品。NHKで放送されていたので観た。勉強映画なので、あまり面白くないのでは?1945年の作品だし。と思っていたら、これがメチャクチャ面白い。

何と言っても、冒頭のシークエンスが素晴らしい。いきなり銃死体が映る。そして、自殺しようとし、警察に止められる女が映る。自殺できず街を彷徨うと、いかにも悪そうな男に捕まり杯を交わす。そして彼を家に連れ込む。死体が至近距離にあるのに気づかない。そして、女は消え、男は家に閉じ込められる。男は死体に気づき仰天する、、、

畳み掛ける謎、謎、謎。クールなビジュアルに圧倒される。しかし、物語はミルドレッド・ピアースの語りにより、女はつらいよ系ヒューマンドラマが始まる。クールなノワールはイキナリ終了してしまうのだ。

ミルドレッド・ピアースの回想では、夫が不倫をしていたことが発覚するところから始まる。夫を追い出したは良いが、専業主婦を辞めて働く必要が出てくる。しかし、彼女にできる仕事なんてそうそうない。長女は、ブルジョワから一気に転落し、夫を追い出したピアースを許せない。心理的に追い詰める。絶望、辛酸の荒野を力強く生きるピアースが何故、銃殺事件に関与したのか?このプロセスが面白く惹きこまれる。

古臭い?いえいえ、そんなことはない。クールなカメラワークに肝っ玉母ちゃんvs毒舌長女の闘いに熱くなる傑作でした。
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