カーペットがある限り

ミルドレッド・ピアースのカーペットがある限りのネタバレレビュー・内容・結末

ミルドレッド・ピアース(1945年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

これがあの「カサブランカ」を作ったマイケル・カーチスが監督したって、ちょっとびっくり。

確かに「カサブランカ」もエンディングまでどうするか迷ったくらいだから、客観的にどんな印象を与えるか考えられない人だったのね。

アメリカ人は、キャラクターも設定も、わかりやすくて大味なものが好きだったのがよくわかるわ。

「共感できなかった〜」ってブー垂れる奴は、映画がお前向きに作ってない、当時の観客向けに作られた大作メロドラマってこと忘れちゃいけないわね。

ハリウッド全盛期の華やかなりし雰囲気を、仰々しいバックグラウンドミュージックと「JOAN CRAWFORD」!以下2人の俳優の大文字、そしてタイトル・バックで感じられるかどうかが試されてるわ。

その仰々しさを跳ね返す、飛び出さんばかりの目玉で圧倒的な存在感を放ったジョーン・クロフォードは、これから海に投身自殺しようかというのに毛皮のコートで迫力満点!違和感も吹き飛ばしてしまう。

ダメな亭主に愛想を尽かし、女手一つでウエイトレスからレストランチェーンの経営者に成り上がる強引な設定も、周りに近づく人間たちも、全てジョーン・クロフォードの存在感を際立たせるための小道具に過ぎないと、改めて気付かされる。

子育て間違えて次女を死に追いやり、長女を生意気に育てて口答えしたらビンタ!教育方針も大味でわかりやすい。

個人的には、何度も肘打ちされながらもめげずにしぶとくジョーン・クロフォードを口説こうとスリ寄るジャック・カーソンが大好き😘

こういうかわいい顔してるくせにカラダがデカくてズル賢い奴は、セックスもネットリして激しそうw

勧善懲悪な裁きが下り、スターはいつも許される、そんな爽快な気分で映画館を出た当時の観客のことに、美しいモノクロのライティング技術から思いを馳せたわ。