【愛憎渦巻く英国王朝の内部】
世界史で有名なヘンリー8世が離婚したくてローマ法皇から破門されるくだりは、なかなか常人には理解できない感覚なのだが、本作を観るとアン・ブーリンがこんなにも魅力ある女性だったのかと思わせてくれる。（ナタリーポートマンの演技は圧巻）
またエリザベス女王1世がどのような経緯で生まれ、育てられたのかの前日譚として締められていることもあって、歴史の面白さを改めて思い知らされる。
男子を求めて何度も結婚して子どもを作る好色男のヘンリー8世。英国王朝の存続を想ってのことでもあったが、結局男子は生まれず…しかし、結果としてはヘンリー8世とアン・ブーリンとの間に生まれた聡明なエリザベスが国を統治して何とか持ち堪えるに至る。
アン・ブーリン処刑のシーンは、まさに狂気の沙汰。あんまり心地の良い映画ではないが、そう遠くない過去にこのような惨劇が繰り返されていたことに改めて思いを馳せた。
