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ブーリン家の姉妹のmamのネタバレレビュー・内容・結末

ブーリン家の姉妹(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

見応えあった!

イングランド王ヘンリー8世を取り巻く女性たちの愛憎劇。
1番目の妻キャサリン・オブ・アラゴン(女児:メアリー)、愛人のメアリー・ブーリン(男児:私生児)、2番目の妻アン・ブーリン(女児:エリザベス)、3番目の妻ジェーン・シーモア(男児:エドワード)

聡明で野心家のアン、優しく慎ましいメアリー、いずれも一時ヘンリー王の寵愛を受けたブーリン家の姉妹を軸に描かれた物語。

最初に見初められた従順なメアリーは男児を産んだけれど、移り気な王の気持ちは男性を翻弄する魅惑的なアンへ。愛人では満足せず王に宗教改革まで迫り妻の座に登り詰める(これによりローマ教会から破門、イングランド国教会となる)男児を産むことができず、近親相姦(史実なのか疑問)による姦通罪・反逆罪でロンドン塔に幽閉され処刑。
最期までアンを気にかけたメアリーはスタッフォードと再婚し幸せな余生を。アンとメアリーの対比が壮絶すぎた。

愛人候補に困惑しながらも受け入れ覗かせる仄かな野心、隠しきれないメアリーへの嫉妬、魔性な女性へと変貌を遂げたフランス仕込みの洗練された男を操るスキル、そして男児を産まなければという強迫観念ゆえに実弟にまで助けを求め精神が崩壊していく様...!鬼気迫るナタリー・ポートマンの演技に釘付けでした。

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覚書<ヘンリー8世の子供たちのその後>

メアリーとエリザベスの剥奪されていた王位継承権はヘンリー8世の6番目の妻(めちゃいい人)の尽力により復権された。

◯エドワード...エドワード6世(9歳で即位、16歳で崩御)
◯メアリー...メアリー1世(37歳で即位、42歳で崩御)母ゆずりのカトリック故、プロテスタントを迫害する圧政を強いた女王ブラッディ・メアリー
◯エリザベス1世...(25歳で即位、69歳で崩御)イギリスの経済・文化が栄えた黄金期を統治。生涯独身でエドワード6世やメアリー1世にも子がいなかった為、エリザベス1世の崩御とともにヘンリー7世から続くテューダー朝(1485年-1603年)は終わりを迎える。

2022-412
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