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かぞくはじめましたのsenatsuのレビュー・感想・評価

かぞくはじめました(2010年製作の映画)
3.7
家族になる紆余曲折に感動する。

男性の無責任さ、己が欲求を何よりも優先してしまうのは、リアル。
友人夫婦が事故で他界。他人の子供の養育が降ってかかったときに、男女のとる行動の差や、折り合いの付け方をコミカルに描いている。

家族でいること、誰しも喧嘩のない理想の世界とのギャップに苦しむ

喧嘩が起こるたびに相性が悪いと早合点していた時に、先だった友人夫婦のホームビデオから夫妻が些細な言い方の違いなどで大喧嘩している映像をみつける。

仲がいいと外に見せている顔は、その夫婦が見栄を張りたい体質かどうかだ。

喧嘩をしない、不満のない円満な家庭や関係。そんな実際には見たこともないありもしない理想、他人がみせる嘘と現実を比較して、落ち込んだり、違う人なら違うかもという果てない道に迷いこむ必要もない。

仲が良くて円満で愚痴ひとつない家庭にみえていた友人夫婦も、同じように喧嘩していたことを知り

彼らを演じようとしなくても、このままでいいと肩の荷が降りるシーンは、
ソーシャルネットで理想にあてられすぎている今とも重なるところがある。

間男になってしまった人が、身を引く際に、
もしあんな風に喧嘩ができたなら、妻とは別れていないというシーンも印象に残る。

達観しすぎていて、彼の心理を正確に汲み取ることはできないけど、10年後とかに見直したらわかる日もくるかも。
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